近年、静かに増えているのが「マニュアル作成を外注する」という選択肢です。

多くの企業では、「マニュアルは社内の人間が作るもの」という考え方が一般的です。もちろん、それができるなら理想的です。しかし現場では、

  • 日々の業務が忙しく、作成に手が回らない
  • どこから手をつければよいか分からない
  • 作りかけの状態で止まってしまっている
  • 属人化が進み、誰かが休むたびに仕事が止まる

という状況がよく見られます。

そこで、マニュアルを外注するという選択肢が密かに着目されているわけです。

「外注なんて大げさでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、

実は “早く・正しく・使われるマニュアルを作る”ための近道でもあります。

本記事では、外注という選択肢をよりイメージしやすいよう、実際の事例を交えて解説します。

なぜマニュアルは社内で進まないのか?

まず現場でよく聞く声を紹介すると、

「作らないといけないのは分かっている」

「でも時間がない」

「そして気づけば半年経っている…」

という、マニュアルの永遠の後回し問題があります。

さらに、社内で作ると、

  • 経験者が文章化すると専門的になりすぎる
  • 新人がどこでつまずくか分かりにくい
  • 業務の途中で仕様変更が入り書き直しが必要
  • まとめ方が分からず途中で挫折

という壁に必ずぶつかることもあります。

つまり、「社内の誰かが作ればいい」ではなく、構造的に進みにくい仕事なのです。

その解決策として現実的なのが、マニュアル作成代行会社への外注です。

外注の良いところもあれば、注意点もあります。外注を検討する上での判断基準や、失敗しない依頼方法を知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

>>業務マニュアル作成を外注するメリット・デメリット|代行会社の選び方を専門家が解説

ではここから、外注がどのような場面で効果を発揮するのか、そして“仕組み化がどれほど組織を変えるのか”を実際の事例で見ていきましょう。

業種も規模も違う3つのケースですが、どの現場にも共通していたのは、「属人化をなくし、誰が担当しても回る仕組み」をつくることで、組織が一気に安定するということでした。

業務マニュアルの3つの実例(外注活用と私自身の経験)

業務マニュアルが必要だと頭では分かっていても、

「どんな場面で役立つのか」

「実際にどんな変化が起きるのか」

というイメージが持てない方は多いはずです。

そこで、実際に私が関わったケースと、私自身が経験した現場の話を3つご紹介します。

  1. システム会社でバラバラなFAQ・マニュアルを統一したケース
  2. 事業承継で“父の頭の中”を仕組み化したケース
  3. 私自身がフィットネスジム運営で10年苦しんだ属人化の話

どれも業種は違いますが、共通しているのは、「仕組み化が組織を強くする」 ということ。

あらゆる現場でも起こりうる問題と解決のヒントが、必ず見つかるはずです。

実例その1:システム会社(カスタマーサポート)のケース

製造業向けシステムを開発する企業からは、「大規模アップデートでマニュアルの負担が限界」という相談を受けました。

主な課題は次の4つです。

  • マニュアルの書き方が人によってバラバラ
  • 詳しい人と簡単に済ませる人で文章の質が違う
  • FAQも担当者が好きな書き方で作っていて統一されていない
  • サポート品質が担当者に依存していた

特にFAQは、

「担当者が“自分のために残したメモ”であって、ユーザーのための資料ではない」

という状態でした。

そこで、

  • 操作マニュアルの全面作成
  • FAQのゼロからの設計し直し
  • 文章・表現ルールの統一
  • サポート担当向け「書き方研修」
  • マニュアル作成のためのチェックリスト作成

を実施しました。

結果として、資料を作るだけでなく、

「書ける人しか書けない状態」を終わらせる役割 を果たしました。

実例その2:家族経営(事業承継)のケース

ある農業グループから、「父から息子への事業承継のために業務を整理したい」という依頼を受けました。

課題はとても明確でした。

  • 業務がすべて父の頭の中
  • 手順が口頭伝承で、文書が存在しない
  • 例外対応も“長年の勘”で処理されている
  • 新しい人が入っても、何が正しいのか判断できない

典型的な属人化の極みでした。

外部として私が入り、ヒアリングと棚卸しを行うと、

  • 実際の作業手順
  • 判断基準
  • 例外対応
  • 季節ごとの作業の違い
  • 外部との調整方法

が、“見える形” で整理されていきました。

その結果、

「誰が引き継いでも困らない仕組み」

が生まれ、事業承継の土台が整いました。

事業承継とマニュアル作成は、相性が非常に良いです。

理由は、人の記憶に頼った業務を、仕組みとして次世代に渡す唯一の方法だからです。

実例その3:フィットネスジムのケース(私自身の経験)

※外注ではなく「私が現場で痛感したこと」

私は以前、フィットネスジムを運営していました。

その中で強く感じたのは、

「マニュアルを作りたいのに、日々の忙しさで全く進まない」

という現実です。

当時の状況はまさに混乱そのものでした。

  • 受付・レジ・入会・電話対応がスタッフによって完全にバラバラ
  • トラブル処理の方法も担当者任せ
  • 新人教育は毎回ゼロから説明
  • 教え方も人によって言うことが違う

気づけばマニュアル整備まで 10年もかかった

今振り返ると、もし外部の専門家がいたら、3ヶ月で整っていたと断言できます。

忙しい現場は、「やり方は分かっているのに、文章化する時間がない」という状態に陥りやすい。

だからこそ、私はいま外注先として支援する立場になり、私自身が10年かけて苦しんだ“属人化”を、クライアントには数ヶ月で解消してほしい。

そんな想いでこの仕事に取り組んでいます。

3つの事例に共通すること

3つのマニュアル作成事例に共通することとして、次の4つが挙げられます。

  • 誰かにしか分からない状態は、必ず限界が来る
  • 属人化は「努力」ではなく「仕組み」でしか解消できない
  • マニュアルは“文章を作る作業”ではなく“組織を整える作業”
  • 外部の視点が入るほど、曖昧なルールが明確になる

そして何より、

マニュアルが整うと、組織の選択肢や可能性が一気に広がるということです。

マニュアル作成の背景には、必ず“属人化”という問題があります。なぜ属人化は起きるのか?どう解消するのか?はこちらで詳しく解説しています。

>>属人化とは?原因・デメリット・解消方法を専門家がわかりやすく解説

外注は“丸投げ”ではなく“伴走”という選択肢

外注と聞くと、

「全部お願いしないといけないのでは?」

「それだと費用が高くなるのでは?」

「マニュアルを作ってもらうための準備が大変では?」

と思われることがあります。

しかし実際には、

  • 業務の棚卸しだけ外注
  • 最初の型だけ外注
  • 重要な業務だけ外注
  • 社内担当者と共同で作成

など、関わり方はいろいろあります。

社内に「まとめるのが得意な人」がいない場合、外部と組む方が早い場合が多いです。

自社の状況に合わせて、現実的な選択肢を選びましょう。

「まず何から作ればいいの?」という方もご安心ください。業務マニュアルの基本構成から作成ステップまで、テンプレートつきでまとめたガイドもあります。

>>業務マニュアルの作り方完全ガイド|作成手順・テンプレート・事例を交えて徹底解説

まとめ:社内で作る or 外注する ― どちらが正しいでもない

最後にお伝えしたいのは、マニュアルは社内で作るべき、という固定観念を一度緩めてみませんか?ということです。

社内で作ることが悪いのではなく、外注という選択肢を持っているだけで、前に進むスピードが変わります。

  • 属人化を早く解消したい
  • 新人教育を楽にしたい
  • 業務の見える化を進めたい
  • 作る必要は感じているが時間がない

そんな企業にとって、外注はとても現実的で効果的な手段です。

MANUAL EXPERT では、単なる“文章作成”ではなく、現場を理解し、仕組みを整え、作成後も更新し続けられるマニュアルづくりを伴走型で支援しています。

「相談だけでもしてみたい」という軽い気持ちで構いません。状況に合わせて、最適な進め方をご提案します。

>>業務マニュアルに関するご相談はこちら(MANUAL EXPERT)

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