業務マニュアルの作成は、外部の専門業者に外注することができます。
しかし、初めて代行会社を検討する段階では、次のような疑問が出てくることが多いのではないでしょうか。
- マニュアルは業務を熟知している社内の人間が作るものでは?
- 外注費を払って本当に元が取れるのか?
- マニュアル作成を専門にやっている代行会社なんてあるの?
本記事では、マニュアル作成を外注する際のメリット・デメリット、業者選びのポイントを専門家が詳しく解説します。
外注を上手に活用して、現場で使われ続ける業務マニュアルを作りましょう。
業務マニュアル作成を外注する企業が求められる理由
一昔前は業務マニュアル作成を外注せずに自社で作成するのが当たり前でした。以下の3つの理由でマニュアル作成を外注する企業が増えていると想定されます。
- マニュアルの必要性が増している
- 自社でマニュアルを作る余裕がない
- マニュアル作成代行会社が出てきたこと
それぞれの理由を詳しく解説します。
理由その1:マニュアルの必要性が増している
マニュアル作成の外注が求められる大きな理由は、マニュアルの必要性そのものが高まっていることです。マニュアルの必要性が増している理由として、次の3つが挙げられます。
(1)採用人材の多様化
(2)働き方の多様化
(3)事業承継の必要性
以上の理由から、マニュアル整備は企業の“必須投資”の一つになりつつあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
(1)採用人材の多様化
採用人材の多様化により、誰が読んでも同じ行動が再現できる“標準化されたマニュアル”の整備が必要になっています。
採用人材の幅が広がり、未経験者、中途採用、短期スタッフ、外国人労働者など、多様なバックグラウンドの人が働くようになりました。従来のように口頭で教えるだけでは教育の質が安定しません。
文化・言語の違いから誤解が生まれやすく、属人的なやり方ではミスも増えるため、業務マニュアルの整備が急務となっています。
(2)働き方の多様化
派遣、アルバイト、隙間バイト、副業ワーカー、リモートワーカーなど、働き方が多様化したことで「継続的に教える前提」が崩れてきているため、マニュアルの整備が求められます。
短期的に働く人が増えるほど、教育に時間を割けず、教える人によって内容が違うという問題も起こりやすい状況も生まれやすいのです。
こうした環境では、誰が読んでも仕事が再現できる“確実なマニュアル”が必要になります。
(3)事業承継の必要性
特に熟練の技術や暗黙値が蓄積された分野において、後継者不足や世代交代の準備不足などから、マニュアルの整備が求められます。
例えば、中小企業の継承、士業、伝統工芸、農業などは、ベテラン社員の暗黙知が蓄積されていることも多く、引き継ぎがうまくいかない場合、ノウハウが失われるリスクが高まっています。
業務マニュアルは事業承継のための必須ツールであり、経験値を“資産”として残すためにも欠かせません。
事業継承の問題点は、中小企業庁のリンクを参考にしてください。事業継承における課題をデータとともに解説しています。
理由その2:自社でマニュアルを作る余裕がない
マニュアルの重要性を理解していても、多くの企業では「作りたいのに作れない」状況に直面します。
マニュアルを作ったことがある人は実感していると思いますが、マニュアル作成は想像以上に工数が多い作業です。少なくとも以下の作業は発生します。
- 構成作成
- 手順の確認
- 文章作成
- 画像の挿入
- 書式・スタイルの調整
- 整合性の確認
- 誤字脱字の確認
- 運用方法の構築
そのため多忙な現場では後回しになりがちで、気づけば未着手のまま数年経つことも珍しくありません。
結果として「自社で作る」こと自体が現実的ではなくなり、外注することで本業に集中しながら質の高いマニュアルを短期間で整備することが現実的です。
理由その3:マニュアル作成代行会社が出てきたこと
近年、マニュアル作成を専門とする代行会社が増えており、外注のハードルが大きく下がりました。
以前は専門性の高い取扱説明書の制作会社が中心でしたが、クラウドソーシングの普及により、より実務寄りの業務マニュアルを依頼できる環境が整いました。
価格相場も1ページ8,000円〜15,000円と明確化され、Web制作やシステム開発のように“外注して作る”ことが一般的になりつつあります。
企業側も「自社で作れないなら、専門家に任せた方が早い」という判断が増え、外注需要が高まっています。
マニュアル外注の理解を深めるには、そもそも「良いマニュアルとはどんなものか」を把握しておくと判断がしやすくなります。基礎知識をまとめた記事もあわせてご覧ください。
>>わかりやすい業務マニュアルとは?誰でも実践できるマニュアル作成のコツ
【メリット】マニュアル作成を外注する5つの利点
マニュアルを外注することのメリットとして、次の代表的な5つを解説します。
- 質の高いマニュアルができる
- 期限を決めれば、必ず完成する
- 本業やコア業務に専念できる
- 客観的な第三者視点が入る
- 作成過程で業務の棚卸しができる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリットその1:質の高いマニュアルができる
マニュアルの専門業者は、情報整理の仕方、章立ての設計、図表の使い方、視認性を高めるレイアウトなど、マニュアル制作の“型”を持っています。そのため、最初から読みやすく、誰が見ても理解しやすいマニュアルに仕上がります。
マニュアルは「事務作業が得意な人なら作れる」と思われがちですが、実際にはそうではありません。
専門分野に長けていても、構成力や説明力が不足していると、読み手が理解しにくい内容になってしまうこともあります。
また、マニュアルの専門業者は、運用を前提にした作り方をしてくれるため、現場で実際に使われるマニュアルになりやすい点もメリットになります。
メリットその2:期限を決めれば、必ず完成する
マニュアルの“完成までの道筋が明確になる”ことが外注の大きなメリットです。
外注すれば、契約時点で納品日が決まるため、必ず完成させることができます。費用を支払う以上、依頼側も進行に積極的になり、制作会社もプロとして責任を持って進めます。
社内でマニュアルを作ろうとすると、「忙しくて後回し」「誰が担当か曖昧」「優先順位が低くなる」といった理由で、未完成のまま放置されがちです。
社内で長年放置されてきたマニュアルが、外注することで数週間〜数ヶ月で形になる、という事例は珍しくありません。
メリットその3:本業やコア業務に専念できる
マニュアルを外注した場合、ヒアリング対応や内容確認は必要ですが、文章作成・構成・図表作成など工数のかかるの大部分を専門業者が担うため、少なくとも制作の間、依頼側は本業やコア業務に集中できます。
マニュアル作成は想像以上に時間と集中力を必要とします。自社で作る場合、通常業務と並行して作業を進めなければならず、本業に支障が出ることもあります。
マニュアル作成を外注すれば、通常業務と並行しながら、質の高いマニュアルができ上がることも可能です。
メリットその4:客観的な第三者の視点が入る
マニュアルを外注することで、第三者としての“わからない視点”が入り、「どこが難しいか」「どこが説明不足か」といった点が明確になります。
マニュアルは専門知識のある人が作るほど、説明が高度になりがちです。専門用語が多かったり、前提知識が必要だったりすると、新入社員やスポットスタッフには理解が難しくなります。
制作会社はわからない部分を率直に質問しながら内容を整理するため、読み手に近い視点でマニュアルができあがります。結果として、社内では気づけない抜け漏れが見つかり、より実務に沿ったマニュアルに仕上がることも珍しくありません。
メリットその5:作成過程で、業務の棚卸しができる
外注することで、単にマニュアルが完成するだけでなく、業務の可視化・標準化が進むため、組織全体の生産性向上につながるというメリットも生まれます。
マニュアルを作成する過程では、業務の流れを細かく確認し、作業内容を分解して整理します。普段は気づけないムダや重複作業が明らかになり、業務改善につながることがあります。
自社だけでも業務の棚卸しは可能ですが、外部の第三者が入ることで「当たり前になっている非効率」や「属人化している手順」が浮き彫りになります。
【デメリット】外注する際に注意すべきポイント
外注にはメリットだけでなく注意点も存在します。事前に理解しておけば、トラブルを避けながらより高品質なマニュアルを作ることができます。
外注前に知っておくべき注意点を3つまとめます。
- 情報提供の手間がかかる
- 内容確認の手間がかかる
- 丸投げは注意が必要
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
デメリットその1:情報提供の手間がかかる
業務を熟知した人が作る場合は必要ないのですが、外注の場合は専門業者に業務の理解を深めてもらう必要があります。そのためにはヒアリングや説明、補足資料の準備が必要になります。
業務の背景や専門用語、手順の意味などは、外部の制作会社だけでは把握しきれません。特に業務の種類が多い場合や歴史が長い職場ほど、情報整理の時間がかかることがあります。
外注には効率化のメリットがある一方、依頼側の協力が必要である点を理解しておくことが重要です。
デメリットその2:内容確認の手間がかかる
制作会社から提出される草案や原稿を確認し、内容の正確性や現場との整合性をチェックするのは依頼者側の役割です。
外注したからといって「情報を渡せばあとは完成」というわけではありません。この確認作業を後回しにすると、進行が止まり、納期が遅れる原因になります。あらかじめ「誰が」「いつ」「どの範囲を」確認するのかを決めておくことで、スムーズに進められます。
デメリットその3:丸投げは注意が必要
外注すると「最初に説明すればあとは任せて大丈夫」と思われがちですが、完全な丸投げは失敗の原因です。
制作会社は文章化や構造化の専門家であり、業務そのものの専門家ではありません。そのため、依頼者側のチェックや補足がないまま進めると、現場とズレた内容になり、結果として“使われないマニュアル”になってしまいます。
主体は依頼者側にあり、必要なときに意見を伝え、内容を修正しながら進める姿勢がマニュアル作成外注を成功させるポイントとなります。
外注を成功させるための業者選びのコツ
業務マニュアルの外注が成功するかどうかは、依頼先の選び方で大きく変わります。良い業者を選ぶためには、押さえるべき基準があります。
判断のポイント4つをわかりやすく整理します。
- 専門性があるか
- 実績が豊富か
- 価格が適正か
- 理念・スタンスが合うか
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイントその1:専門性があるか
まずは制作会社の得意分野や対応範囲を確認することが重要です。
マニュアル作成は単なる文章作成ではなく、業務理解・情報整理・構造化・図解・運用設計といった複数のスキルが必要です。どれか一つが欠けても、現場で使いにくい内容になります。
専門業者は、業務整理の視点や「どこまで書くべきか」「どう見せると理解しやすいか」といったノウハウを持っています。この専門性がある業者を選ぶことで、読みやすく再現性の高いマニュアルに仕上がります。
ポイントその2:実績が豊富か
マニュアル作成の依頼前に事例や制作範囲など、実績を確認しておくと安心です。
業務内容は業界や企業によって大きく異なります。多くの業種のマニュアルを手がけている制作会社ほど、さまざまな現場の課題や特徴を理解しており、応用力があります。
実績が豊富な業者は、ヒアリングの質が高く、業務の抜け漏れを発見する力も強いため、完成度の高いマニュアルになりやすい傾向があります。
業種ごとの事例を知りたい方は、これまでの制作実績をまとめたページもご覧ください。
>>MANUAL EXPERT(マニュアルエキスパート)|実績紹介ページ
ポイントその3:価格が適正か
一般的に、業務マニュアルの相場は1ページ8,000円〜15,000円程度です。単価だけではなく、「どこまで対応してくれるのか」「修正回数」「納品形式」なども含めて総合的に判断することが重要です。
極端に安い場合は品質が担保されない可能性があります。逆に高すぎる料金設定でも費用対効果が見合わないことがあります。総合的に判断して適切な価格で依頼できる業者を選定すると良いでしょう。
料金やプランの詳細、対応範囲については、サービス紹介ページで公開しています。ご予算感とあわせてご確認ください。
>>MANUAL EXPERT(マニュアルエキスパート)|サービス紹介ページ
ポイントその4:理念・スタンスが合うか
見た目が整ったマニュアルを作ることは比較的容易ですが、本当に重要なのは「現場で使われ続けるマニュアルかどうか」です。
デザインがきれいでも、読む側が理解しづらければ運用されず、結局使われなくなってしまいます。制作会社の理念やスタンスとして、「使いやすさ」「再現性」「現場視点」を重視しているかを確認しましょう。
単に文書を作るだけでなく、運用や教育の流れまでイメージして作成してくれる会社が望ましいです。
まとめ:外注は“品質と再現性”を求める企業に最適
マニュアル作成には、自社で作る方法と外部の専門業者に依頼する方法があります。
本記事では、外注のメリット・デメリット、業者選びのポイントを紹介しました。マニュアルは一度作れば終わりではなく、「使われ続けること」が最も重要です。
外注を検討する際は、自社に合う代行業者を選び、現場に合わせたマニュアル整備を進めていきましょう。
MANUAL EXPERT は、業務マニュアルに特化した制作チームとして、業務整理から構成、執筆まで一貫してサポートしています。情報がまとまっていない状態からでも、丁寧なヒアリングで一緒に整理していきます。
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